自然の恵みを家での暮らしに取り込むことは、住み心地を向上させることに繋がります。
例えば南の庭に落葉樹を植えること。パーゴラをつくり蔓性の植物を植えること。
夏は強い深く茂る緑が陽射しを遮り、落葉した冬は低く挿しこむ温かな陽射しを室内に取り込むこができ
暮らしを心地よくすることに繋がります。
また坪庭や通り庭は、家に採光と採風をもたらす大切な機能を担ってくれます。
屋外に設けた広いテラスは、光と風と大きな空を直に感じられる心地よいもうひとつのリビングになりますし、
浴室に面して設けるプライベート感あるバスコートでは、リゾートで感じるような開放感を感じることができます。
室内と屋外を一緒にプランニングしてあげることで、暮らしの質や幅が広がるでしょう。
道路と建物を繋ぐのがアプローチです。
アプローチに沿って緑や花を配し季節を愉しむ。
照明を配し、夜の灯りを愉しむ。
どれも毎日の暮らしに密接に繋がってきます。
道路に面して門扉や塀を設けるか?オープンにして繋ぐのか?色々な計画ができます。
防犯面、近所の状況を考慮して決めていくとよいでしょう。
防犯面を考えたとき、つい門塀で囲んだ方が安心だと思ってしまいがちですが、
一番効果的なのは、道路や隣地から敷地内を見通せることだと云います。
オープンなエクステリア計画が流行っているのも、そのような理由も大きいようです。
道路から見たときに、死角をつくらないことが大切です。
計画をしてみて、人目につきにくいところがあれば、防犯面の配慮が必要になります。
人の動きを感知して作動する人感センサーライトの設置、普通の砂利より音の大きい防犯砂利敷きにするなども効果的です。
また、ピッキングに有効な鍵の選択、割りにくいガラスの選択など、コストとの兼ね合いもあるので、
建築士と相談してみてください。
家を建てた後、暮らしを豊かに彩ってくれるのは、ガーデニングやインテリアの充実があります。
予算だけ取っておいて建物が出来上がった後に考える方がとても多いのですが、
家の基本設計の段階からガーデニング計画も同時進行することが理想です。
ゾーニング(敷地の使い方の配置計画)を予め考えておくだけでも、完成度がまるで違ってきます。
ガーデニングにかける予算を決め、基本設計の時期から、ガーデナーさんにプランを依頼することもできます。
その場合、ガーデナーさんとの調整は、建築士が行います。
お部屋の窓から見える植栽の位置、アプローチやカーポートの位置から考えていく玄関の位置など、家と庭は切り離せない関係です。
家と庭をトータルで考えていくようにしたいものです。
シンボルツリーは家をひきたて暮らしに潤いをもたらしてくれます。
庭をつくるとき全体のレイアウトで大きなシンボルになる木を見栄えのいい場所に配置します。
狭いスペースには、一本立ちの木より株立ちの木がおススメ。
株立ちの木は、一本でも株越しに庭を見ることになるので、遠近感をが出て狭いスペースを広く見せるコツのひとつになります。
家に接近して植える場合、夏は日陰をつくってくれ冬には葉を落として日光を入れてくれる落葉樹がおススメです。
新緑、小さな花、かわいらしい実、紅葉と、表情が変わるので、四季の移り変わりを体感できるのも魅力です。
道路に面した玄関前に植える場合など、目隠しの役割を必要とするとき、管理の手軽さを求めるときには常緑樹をおススメします。
具体的な樹種の選定は、全体の植栽デザインやお手入れの仕方などをガーデナーさんに相談しながら決めていく場合が多いです。